世界遺産候補として注目される場所、大牟田市の三池炭鉱宮原坑へ行ってみました。
記事下に地図リンク、付近の飲食店情報を掲載しています
車なら大牟田中心地からわりと近く
いつものように記事下に地図を掲載しています。スマホのナビで道順を確認しながら行きましたが、市内中心地から、そんなにかからなかったです。
話題になったからか、車が入れ替わり立ち代わりけっこうやってきました。駐車場の人に聞くと、やっぱり放送の影響からかお客様は多いとのこと。
あなたも、一度は見たことがあると思います。この建物。道路を渡って橋を渡って行くんですが、その時線路跡が見えました。昔はこれで、石炭や必要な物資を運んでいたようです。
ボランティアさんの説明は聞いたほうがいい
近くまで行くとこんな様子。2階建ての建物は当時の三池炭鉱の社宅だったそうです。建物前には、ボランティアの方がいらっしゃって、「説明しましょうか?」と声をかけてくださったので、「ぜひ!」とお願いしました。現在は稼働していない施設だし、説明があったほうがグッと分かりやすくなります。
今は一枚だけ残っている煉瓦の壁。昔はこの手前(芝生)のところに、ポンプがあったんです。イギリスから輸入した最新鋭のもの。宮原坑では掘り進めていくと水がたくさん出て炭坑夫たちを悩ませたとのこと。そこで、イギリスから最新式のポンプを輸入。2基をフル稼働して水を排出していたそうです。
この鉄塔。近くで見ても新しく見えるんですが、実は当時のままだそうです(塗装はし直しているとのこと)。ねじの締め方が特殊で水が入り込まない構造のため腐食に強いとのこと。
このパイプで水を排出していたんでしょうね。こちらは、結構傷んでます。
現在残っている建物と鉄塔は第二建屋だったそうで、昔は第一もあったそうです。手前はトロッコ。そしてこの建物は人や機材を上げ下げするエレベーターの操作場所だったようです。宮崎駿監督の映画、「天空の城ラピュタ」の主人公パズーが、働いていたところはこんな感じでしたよね。
第一竪坑は揚炭、入気、排水が主であり、第二竪坑は人員昇降を主として、排気・排水・揚炭を兼ねる機能分担がされていました。第一・第二竪坑ともに、当時世界最大級の馬力を誇ったイギリス製デビーポンプを2台ずつ備え、当初の計画どおり七浦坑の排水難を解消しました。さらに、その排水能力により、より深い場所での採炭が可能となりました。
宮原坑跡 – 大牟田の近代化産業遺産ホームページより
建物内部。この大きな糸車のようなものがエレベーターのロープ。油でべっとりです。ところどころに木が使われているのは火花飛び散りの防止だそうです。
ちなみにこれがブレーキだそうです。
エレベーター操作の心得が書かれたこのボードは当時のままだそうです。
これが、エレベーターの箱。これに乗って人も物資も行き来したようです。
これは従業員さんの控室。休憩室だったんでしょうか?真ん中はストーブらしいです。
これは先ほどとは別のエレベーターの箱。鉄塔の真下に展示されているもの。手で触っているところは木です。この木は地上から坑道まで地下何百メートルも続いています。
万が一ロープが切れたり危険があった場合は、この木を両脇からがっちり挟んで止める構造にしていたとのこと。
現在は危険なのでふさがれていますが、昔はこれが地下までまっすぐ伸びていたんですね。
これはストッパー。間違ってエレベターが下に落ちて行かないようにするもの。足で足でペダルを踏んで解除するそうです。
社宅の中も
先ほど紹介した社宅の中も見ていいとのことだったので見学しました。ここに住めるの人は会社でもエリートだったとのこと。
ぜひ一度見てください
宮原坑を含めた産業遺産群が世界遺産に選ばれるかどうかは分かりませんが、ぜひ一度は見ておきたいところです。写真とはと実物ではやっぱり違うし、あの匂いまで含めてその息吹の一部を感じることができます。
炭坑は当時の産業の礎でした。けれでも、華やかな一面だけではなく、今では考えられない暗い一面もあったと想像できます。つい、ほんの100年ほど前のこと。ぜひとも一度生で見たいところです。
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